『何が降ってもぼくらは進む』のはなし
更新日:2021年4月17日
ザラザラした質感がかっこいいと思った。
描きたい色と真逆の色とか、濃い色とか
そんな色を塗って
2日後くらいに、本当に塗りたかった色の絵の具を
カスカスでのせる。
これが下地ってやつかー
と今さら発見したりした。
ザラザラした闇のなかにピカッと光。
ぼくにとってこれがロックンロールのイメージ、
ずっと先の方に輝く突破口、いつもそこでまたたく星であり、きれいに爆発する花火であり、光っては消える雷だ。
歪んだギターのイントロではじまる「雷雨決行」という楽曲をはじめてきいた高校生の時からずっと
こんなイメージが頭にあった。

エレキギターのザラザラした雨がいろんな向きに降って、
ずぶ濡れで、
船上で、
雷が光ってる。
ずぶ濡れだけど嫌な感情はなくて、
ただただ「やってやるぞ」という気持ち。
「何が降ったってぼくらは進んでいくぞ!」
そんな気持ちがわいてくるかんじ。
いつもそんな情景が浮かんでいました。

それを表現するときに、
「どしゃぶりを描く」という今までにない挑戦があって
頭の中では見えてるのに、かたちになりにくくて
線で描きました。
具体的にはわかんないけど浮世絵のイメージ。

台風の日とかに
雨のつぶが風でばーーっと
ななめに流れていくのが目で見える瞬間。
それをヒントにななめにそろえて、
それに船の先っちょを平行にそろえて構図をつくりました。
大学受験のころ、長期休暇で通った画塾の先生に
「いちのせは構図・構成が全然だめだから愚直に描いたほうがいい」
とか言われていたぼくも
こんな構成ができちゃうのかーと思ったり。
移住して2枚目の作品も
やってやるぞ!感がにじみでた、決意ダダ漏れの作品になりました。
無意識で、こちらがあれこれ考えなくても
生まれてくる時に意味を持って形になる。
絵は生きた記録であり、もちろん想いの結晶でもあるけど
言葉よりもっと純粋で、制作者も気づかないような心なんだと思う最近です。
『いちのせかぶと展 絵はいろとおと』
4/13(火)〜18(日)
12:00〜19:00(4/18 〜17:00)
アートギャラリー絵の具箱 (オンライン展示・販売あり)

